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「でも、それが一番しっくりくるのよね」
「……」
「他に何も思い付かないでしょ?」
「…遊ばれてただけかもしれないじゃん」
「だからさ、遊びだったったとして、アイツの性格なら、わざわざ別れを告げるようなことなんてしないって」
今度は有紀ちゃんが、呆れたように溜め息をつきまっした。
辺りは既に静寂が包み込んでいました。
部活をしていた生徒も、下校時間内に帰った生徒も誰一人として校舎の外にはいないようでした。
「別れを告げない?」
「あの性格だからね。ちゃんとけじめをつけなきゃって思うから別れ話をするわけで、ただの遊びなら、飽きた途端に完全無視じゃない?相手からアクションを起こされない限り何も言ってこないで、自然消滅に持っていくと思うけど」
「何でそんなことわかるの?」
「伊達に人間観察してないわよ」
そう言った有紀ちゃんは、何故か誇らし気でした。
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