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次の日、私は有紀ちゃんにその話を持ちかけてみました。 泣いている場合ではありません。 だって有紀ちゃんの推測は、何かと当たるんです。 加賀君が本当は優しい人だと言った時も、嫌な予感がした今回も… きっと何か理由があるんです。 私は諦めません。 だって…あんなに優しくして、カッコよくて、強くて、逞しい王子様は加賀君だけです。 私を大事にしてくれるのも、きっと加賀君だけです。 何としても、理由を暴くのです。 「岬君ね…。私も彼には騙されたけどね」 「騙された?」 「まぁ、あれだけ皆の王子様呼ばわりされていて裏がないはずなんてないって思ってたけど、よりによってあんたにあんな事するなんて…」 有紀ちゃんには、資料室での出来事を一部始終話してあったので、あの日岬君が私にしたことを全て知っているのです。
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