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「ちょ、泣かないでよ!まるで僕が泣かしたみたいじゃないか」 「アンタが泣かしたんじゃない。あんな冷たい言い方して」 狼狽える岬君に、冷静な有紀ちゃん。 有紀ちゃんは、よく泣く私に慣れています。 きっと今更のことと、動じないのでしょう。 「岬ッく……はッ、……中学の時の……ヒック……がく、……加賀君をッ……知ってましたッ……だからッ……きっと……っくッ……なにか、知って……ふぇ……」 「あー!もう!泣き止んでくれるかな!?わかったから!」 「……え?」 「女の子に泣かれるのは苦手なんだよ」 岬君は頭をかきながら、ぶっきらぼうに言いました。 いつもの余裕は全くないようです。 今日の岬君は、私が知っている岬君とは少し違うみたいです。
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