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「さて、丸井さん次第。サインしないなら、この話はなかったってことで」 「わかりました、します」 「林檎!」 有紀ちゃん、私の腕を掴んで制止しようとしますが、私はもう決めました。 納得できるまで、私は加賀君が別れ話をした原因を探します。 私は、目の前に落ちた紙を表に返すと、用意されたペンでフルネームを書き上げました。 緊張している心とは裏腹に、手は震えることなく、いつも通りの字を書くことができました。 「確かに。それじゃぁ、早速。何が聞きたい?」 岬君は、話をはぐらかすどころか、自ら進めました。 私も契約書にサインしたんです。 約束を守ってもらわなければ困りますが、こうもあっさりと岬君が応じてくれることが、正直意外でした。
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