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「誰も知らないのも無理はない。彼等は確かに暴力的だった。けれど、一般の生徒や自分達よりも弱い人間に対しては全くと言っていいほど関わりをもたなかったからね。だから、カツアゲだったりイジメみたいなことは絶対にしなかった。単純に彼等は、他校の不良との喧嘩を楽しんでいるだけだったからね」 「喧嘩を楽しむ?」 「そう。一般の生徒に手を出さなかったのは、それが正義とかじゃない。彼等は、弱い物に興味がないんだよ」 岬君は、穏やかな顔でそう言います。 まるで、加賀君は決していいひとではなかったというような言い方です。 「crazy′sという名は有名だけど、皆その姿を見たことなんてなかったんだよ。だから、当然この学校でも加賀とcrazy′sを結びつける者はいなかった。そういうこと」 「なのに、何で今になって、加賀君がcrazy′sだっていう噂が広まったんですか?」 岬君の言葉は矛盾だらけです。
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