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「ちょっと、加賀」
「あぁ？」
「ゆ、有紀ちゃん！」
気の強い有紀ちゃんは本人を目の前にしてまで呼び捨てにしてしまっている。
それを客観的に見ている私はオロオロするばかりだ。
「林檎と付き合い始めたんだって？」
「お前誰だよ」
自分に対して自然と話しかけてくる有紀ちゃんに加賀君は怪訝そうな顔をする。
その細めた目が凄く怖くて私は思わず有紀ちゃんの服の袖を握り締めた。
「私は七瀬有紀。林檎の親友よ。林檎の彼氏ってなると私にも知る権利があるんじゃなくって？」
「ふーん。で？」
加賀君は大して気にも止めていないようで、顔色一つ変えずに一言そう言った。
いよいよだ…
有紀ちゃん…
断ってくれるのはありがたいけどなるべく丁重にお断りしてね…
私は心の中でそう呟き、二人のやりとりを見守った。
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