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「あのね…私…有紀ちゃんが男の子だったらよかったなー…って思ってしまいました」 「はは」 軽蔑されるのを覚悟でおずおずと言ったものの、有紀ちゃんは長い指を口元に当てて可笑しそうに笑った。 「有紀ちゃん?」 「林檎もあの子達と同じ事言うんだね」 「あの子達?」 「そう」 有紀ちゃんの視線の先には前側のドアからコッソリ覗いている女の子数人。 と言っても全然隠れられてはいないのだけど… 多分後輩であろう。 有紀ちゃんの言ったあの子達とは有紀ちゃん大好きな後輩達の事みたい。 「有紀先輩が男だったら是非付き合いたかったですってこの前言われた」 「えぇ!?」 まぁ…わかるけど… 美人だし…頭いいし…運動できるし…ちょっと男らしいし… きっと私がさっき無意識に思ってしまったのもその類いだと思います… 「林檎もそう思ったの?」 「え?」 ビックリするくらい真剣な目で見られた。 こんな有紀ちゃんは久しぶりに見た気がする… 「なんてね」 かと思いきやニッコリと笑ってみせた。
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