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そんな加賀君の後をついていく私。
「か…加賀君?」
「いいから」
歩幅が違うからなのか、どんどん前に行ってしまう彼。
裏庭に来たことのない私は、どういう道になっているのか知りません。
二年生なのに何故裏庭に来たこともないかって…そんなの加賀君達が道をふさいでいて入れなかったからに決まっているじゃないですか!
すいません…取り乱しました。
それよりも広いこの裏庭に置いてきぼりにされたら迷子になってしまいます。
必死に追いかけるが、中々追い付けない…。
そんな時…
「あ…わり…」
息を切らす私に気付いたのか、随分前に行ってしまった加賀君は戻ってくると私の手をそっと握りました。
わわっ!
男の子と手を繋いだのも初めてです。
ビックリして振り払ってしまいたかったけど、加賀君が怖すぎてそんな事できませんでした。
「普段男とばっかりいるからさ…俺そういうの全然考えてなかったわ」
「だ、大丈夫です…」
一応謝ってくれてるのかな…?
本当に申し訳なさそうにする彼に心なしか胸が痛んだ。
優しい…のかな?
そんな風に思ってしまいました。
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