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「じゃぁ、こっち」
そんな思いとは裏腹にどんどん茂みの方に入っていきます。
気が付けば随分校舎から離れていました。
…あれ?
何か…全然人の気配がない…
元々裏庭に人はいないのだけど…
それにしても変じゃないのかな…?
こんなに校舎から離れて…茂みの中で…人から見つかりにくい場所…。
嫌な予感がしました。
誰もこんな所に人がいるなんて思わないでしょう。
つまり、私がここで何をされても誰も助けてはくれないのです…。
まだ歩くの?
どんどん不安になってくる。
「林檎」
「は、はい!!」
不意に名前を呼ばれてドキリとする。
真っ直ぐと目を見つめられた。
…怖い
…怖い
素直な感想だった。
優しいかもと思った。
意外と笑った顔が可愛いだなんて思った。
だけどやっぱり加賀君て怖い人…
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