271人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「目、瞑って」
「え?」
急にそんな事を言われた。
も、ももももしかしてこれって…
よく、こんなシーンをドラマで見ます。
恋人達が二人向き合って女の人が目を瞑る。
するとその後にする男の人の行動は…
まさか…
ちゅうされてしまうのでしょうか?
それは絶対に嫌だった。
だって私が好きなのはあくまでも岬大地君だもん。
好きでもない人とそんな事したくない…
だけど…勘違いしてしまっている彼にとっては私は彼女なんですよね…。
納得したくはないが、だからといって勘違いだとも言えない自分がもどかしかった。
「早く!」
いつまでも目を瞑らない私に苛立ったのか、加賀君は私の前に手のひらをかざし、半ば無理矢理に目を閉じさせた。
嫌…
嫌なのに…怖くて逆らえない…
嫌な思いを振り払うようにぎゅうっときつく目を瞑った。
だってファーストキスは大地君がよかった…
最初のコメントを投稿しよう!