21/36

271人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
「目、瞑って」 「え?」 急にそんな事を言われた。 も、ももももしかしてこれって… よく、こんなシーンをドラマで見ます。 恋人達が二人向き合って女の人が目を瞑る。 するとその後にする男の人の行動は… まさか… ちゅうされてしまうのでしょうか? それは絶対に嫌だった。 だって私が好きなのはあくまでも岬大地君だもん。 好きでもない人とそんな事したくない… だけど…勘違いしてしまっている彼にとっては私は彼女なんですよね…。 納得したくはないが、だからといって勘違いだとも言えない自分がもどかしかった。 「早く!」 いつまでも目を瞑らない私に苛立ったのか、加賀君は私の前に手のひらをかざし、半ば無理矢理に目を閉じさせた。 嫌… 嫌なのに…怖くて逆らえない… 嫌な思いを振り払うようにぎゅうっときつく目を瞑った。 だってファーストキスは大地君がよかった…
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加