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「わー…可愛い」
こんなに小さい猫を近くで見るのは初めてで、思わず顔が綻んだ。
「よかった」
「え?」
不思議な事を言う彼に視線を戻す。
「やっと笑った」
そう言った彼の顔は今日見た中で一番優しい顔をしていました。
「あ…の…ごめんなさい」
「何で謝んだよ」
「だ…だって…」
「俺、見た目こんなんだから結構怖がられるけど…お前には優しくするよ?」
「え…?」
思いがけない言葉。
「つーか、そもそもそんなに喧嘩とかしてるわけでも単車乗り回してるわけでもねーし。好きな格好して好きな奴等とツルんでるだけでヤンキー呼ばわりされんのって俺も気悪いんだわ」
「そうなんですか…」
何だか想像していた加賀君と全然違う…
「別に他の奴等にどう思われようが関係ねぇけど…やっぱお前にはさ…誤解されたくねぇじゃん…」
「加賀君…」
少し照れ臭そうにした彼は告白の返事をした時と同じ顔をしていました。
有紀ちゃん…加賀君は本当にそんなに悪い人じゃなさそうです。
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