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「ありがとな、もういいよ」 そう言って私の手と頬の間から手を引き抜きました。 かと思うと加賀君はゴロンとその場に寝転んでしまいました。 「あったけー…」 夏が終わって少し風が冷たくなってきたこの頃ですが、昼時のこの時間には太陽がたくさん私達を照らしてくれます。 いつの間にか私の腿の上で丸くなっているすももを撫でながら加賀君を見ると、頭の後ろで手を組み、目を閉じていました。 綺麗… 金色の加賀君の髪はお日様に照らされてキラキラと輝いています。 一本、一本薄い毛は柔らかそうに靡き、風を誘っているようでした。 閉じられた目からは長い睫毛が流れています。 うわ…お人形さんみたい… まるで静止画のような加賀君は異国の王子様みたいでした。 中身は全然王子様じゃないのに… 王子様というワードにふと岬大地君の顔が浮かんだ。 皆から好かれていて明るくて優しくてそして爽やかで… そうそう、あれが王子様。 だけど…見た目は加賀君の方が王子様に近いのかもしれません。
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