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「加賀とはどうなの?」
「どうって…」
「あれから進展あった?」
有紀ちゃんが言うあれとは、髪にキスをされたあの出来事の事です。
「し、進展なんてないよ!!」
そもそもは加賀君の勘違いなんですから…
「でも林檎、加賀君はいい人だったって言ってたじゃん」
「いい人だったよ…。でもさ、有紀ちゃん…それもちょっと違うじゃん」
「うん、わかるけどね」
有紀ちゃんは私が本当に好きな人を知っています。
確かに加賀君は思っていたよりも優しくて、綺麗な顔をしていて、笑った顔も可愛かったです。
だけど…それは大地君との好きとは違う。
本当は岬大地君と付き合いたかったんだもん。
最初は怖くて勘違いだって言えなかった。
だけど今は…優しくしてくれる加賀君を傷付けてしまうようで言えない。
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