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「別に嫌いじゃないんでしょ?加賀の事」
「嫌いじゃないよ…」
だって加賀君は嫌いになるような事なんて全然しないんだもん…。
タバコを吸おうとしたあの日からもう1ヶ月が経とうとしているのにあれ以来、加賀君はタバコを一度も取り出していない。
「お前の嫌がるような事はしないから」
そう言ってくれた。
口だけじゃなくて、それを実行してくれる加賀君を嫌いになんてなれるはずがなかった。
でも…
――キーンコーンカーンコーン
その考えを遮るようにチャイムがなった。
「授業始まる」
「うん」
私達は目の前の教室に入っていった。
この時、私達の話をコッソリ聞いていた人物に全くと言っていい程私も有紀ちゃんも気付いていなかった。
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