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しばらくした後、そっとすももを抱え、背中を撫でてあげた。
その時…
「林檎!」
加賀君の声…
さっき声を聴いたばかりなので加賀君の声だとすぐにわかりました。
「加賀君…」
彼は走って来てくれたのか汗だくでした。
だって電話を切ってからそんなに経ってないよ…。
不安が少しだけ解消され、私は加賀君にすももを手渡した。
彼の腕の中で嬉しそうにするすもも。
「にゃー」
加賀君の胸元に頬を擦り付けています。
「…どこがおかしい?」
加賀君はすももを抱きながら首を傾げた。
「さっきからずっと吐いちゃってたんです…」
「吐いた?」
「はい…」
「吐いたのどれ?」
加賀君に聞かれ、先程まですももがいた場所を指さすと、彼はすももを抱いたままそこを覗き込んだ。
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