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「あー…大丈夫。心配ない」
そう言って彼は笑いました。
「え?」
「お前、猫飼った事ないだろ?」
「ないです…」
どうしてそんな事聞くんだろう…
それにすももは大丈夫だって…
あんなに吐いてたのに?
「猫は自分の体を舐めるから毛も一緒に飲み込むんだよ。それを後から吐き出すわけ」
加賀君は困ったように笑う。
「そ、そうなんですか?」
「そう。だから心配ない」
今度は優しく微笑みながら私の腕にすももを乗せたのです。
なんだ…
すももは大丈夫だったんだね…
だけどそう思ったら涙が溢れて止まらなくなりました。
「林檎!?」
「よかっ…すもも…ふぇっ…死んじゃうかと思ったの…」
「そっか…。わかったから泣くなよ」
「はい…」
そうは言うものの一向に涙は止まる気配をみせてくれません。
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