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「もう大丈夫です…」
泣いている時には加賀君はそこから離してはくれませんでしたが、私が泣き止んだのを確認するとそっとまわしていた腕を離しました。
「何か、すいません…」
「謝んな」
私を離した加賀君は壁に寄りかかりましたが、服は私の涙で汚れてしまったのです。
しかし、私服の加賀君は印象が全然違いました。
いつもよりも大人っぽく見えます。
じーっと見ていると…
「どうした?」
「え!?あ…来てくれてありがとうです…」
「あぁ、そんな事。別に俺が心配になっただけだから」
急に話しかけられたからビックリしました。
それより…今日はお休みですよ?
本当だったら友達と遊びに行ったりお家でゆっくりしたいはずなのに…
汗だくで走ってきてくれたあの加賀君を思い出すと、何だかとても暖かい気持ちになりました。
加賀君はどこにいても駆けつけてくれる正義のヒーローみたいです。
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