ラブレター

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「あー!やっぱダメ!こんなの渡せないよ!」 文才のない林檎が一生懸命書いたラブレターであったが、読み返せば読み返す程ヘンテコな文章に思えてならない。 しかも会話をした事もないのに初めから下の名前で手紙を書いている事自体少し問題があるように思えた。 「大事なのは気持ちなんだからそんなの気にしなくていいの」 「でも…やっぱり岬君に書き直す…」 下の名前で呼びたいという願望からつい先走って名前で手紙を書いてしまったが、読み返してみると馴れ馴れしいようで自分でも納得がいかなかった。 「もう…そんな事してたらいつまで経っても渡せないじゃん…」 実は何度もこんな行為を繰り返している林檎に有紀も些か痺れを切らしていた。
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