25/40
前へ
/194ページ
次へ
俺は何となく校内を彷徨いていた。 裏庭には行く気になれなかった。 この時間に林檎のいない裏庭へは行きたくなかったのだ。 光輝達にはまだ別れた事は言ってない。 勘違いだったなんてカッコ悪くて言えるかよ… だからアイツらは俺は今日も林檎と裏庭で過ごすものだと思ってる。 そこへ戻って行ったら別れたってすぐにわかる。 当然、そちら側にも行けなかった。 いつも、この時間には使われているはずのない移動教室。 理科準備室って所だ。 そこのドアに鍵がかかっているのだが、後ろのドアは鍵が壊れている為に開閉可能だった。 俺はそれを知っている。 行き場をなくした俺は、昼休みの間はそこで過ごそうと思っていた。 ドアに手をかけた。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加