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色気?
んなもん、お前らにわかるわけねぇだろ。
林檎のグロスで濡れた唇も、第一ボタンだけ外したシャツから少しだけ覗く鎖骨も、髪を耳にかける仕草も俺にとっちゃ充分色っぽく見える。
だが、それは二人きりでいた俺にしかわかんねぇ魅力だと思う。
実際、あの色気を感じるようになったのはあの昼休みの一時が始まってからだったからだ。
「でもさ、何で岬は林檎ちゃんに必死なわけ?別にタイプでもないのに」
ちっ…岬の話かよ…
俺は今、アイツの名前を聞くのすら嫌だった。
「タイプだからとかじゃねえよ。加賀の女だからだろ?」
は…?
俺は耳を疑った。
俺が何だって?
「加賀?」
「そ。あいつ、結構モテるじゃん。授業出ねぇくせに学力もあるし、スポーツもできるし。完璧で通してる岬にとっちゃ邪魔なんだろ。加賀の女奪ったらそれだけでステータスじゃん」
は…何だよ、それ…
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