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「キサラギってさ、こっちに来たばっかだろ?」
「そうだな」
「ならいいとこに連れてってやるよ」
「マジで!?」
なんという幸運。これは行かないわけにはいかないな。
「マジだぜ」
「是非連れていってくれ」
「よし、それじゃ後ろに乗ってくれ」
そういうと魔理沙は手に持っていた箒に跨り、自身の後ろを指した。やっぱり魔法使いらしく飛べるのか。
「そいじゃ、行くぜ。しっかり掴まってろよ!」
俺が乗ったのを確認すると、魔理沙はそう言い放って箒を急浮上させ魔法の森の上空に出た瞬間、急加速し猛スピードで空を駆けた。
「あば、あばばばばばば!!」
驚く暇もないとはこのことか。飛行速度が常軌を逸してるし、何より空気抵抗が半端ねぇ! よく魔理沙はこんなスピードで飛べるな……!
「ん、あれは……」
「ぐぼぉ!!」
と、思ってたら急停止。慣性の法則仕事しろ。
「~っどうしたんだいきなり」
「神社に行く手間が省けたぜ。降りるぜキサラギ」
「ゆっくり降りてくれよな……」
俺が言った通りゆっくり降りてくると、そこには二人の男女が並んで歩いていた。
一人は極々平凡な格好をした男。どこかの村人Aかな? そしてもう一人は腋が露出している少し変わった巫女服を着た、黒髪をリボンで結びポニーテールにしている少女。果たして魔理沙はどっちに用事があるのか……。まぁ大体予想ついてるがな。
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