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「よぉ霊夢」
「あら魔理沙、奇遇ね」
やっぱり用事があったのは霊夢と呼ばれた少女だった。ということは魔理沙が行く予定だった所は霊夢とやらの住居だったのか?
「どうしたんだ、こんなところで?」
「ちょっとね。ルーミアがまたやらかしたみたい」
「ふーん」
また聞いたことのない名前が飛びだした。でもなんか俺に関係のあることのような気がしてならない……。そしてさっきから村人Aがこっちを驚愕した様子で凝視している。なんだ、どこぞのスライムのように仲間にしてほしいのか?
「ところで、そっちの真っ白はどこの誰?」
「俺か? 俺は――」
「ば、化け物ぉぉー!!」
自己紹介しようとした時、村人Aが叫び声を上げながらどこかへ走り去ってしまった。逃げ出したのほうが正しいか? にしても、初対面で化け物呼ばわりか……。
「おいおい、あいつ大丈夫なのか?」
「いいわよ放っておいても。それより、あんたは誰なのかしら?」
「外来人のキサラギだ。以後お見知りおきを」
「私は博麗霊夢。博麗神社の巫女をやってるわ。……そうだ。あんたら暇ならついてきなさいよ。特にクサナギ」
「キサラギです……、俺の名前はキサラギです」
「暇だからついていくけど、どこに行くんだ? ルーミアが残した物でも見に行くのか?」
「御名答。里の人に依頼されてね、調査してほしいんだって。全く、こういうのは慧音の方が適役だというのに」
人の名前を間違えてしかもスルーするとはこいつ、出来る!
「ほら行くわよ、魔理沙、キサラヅ」
「キサラギだ……二度と間違えるな! 俺の名はキサラギというんだ! クサナギでもキサラヅでもない!」
「すまんね」
「おまえらどうしたんだ、急に顔を濃くして」
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