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さぁ言い切ったぞ。どんな反応が返ってくる?
「へぇー、そうなの」
「なんだ、お前もか」
二人から帰ってきたのは呆れでもなく懐疑的なものでもなく、当たり前のことを聞かされた時のような淡々とした反応だった。
「…………えっ」
「これでルーミアの件は解決ね」
「いやぁスッキリしたぜ。不老不死か。それなら全て合点がいくな」
「――ッちょっと待て!」
あまりにも想像していた反応と結果が違い過ぎていたため、しばらく放心してしまった。
何で……何でこいつら――
「何でそんな簡単に俺の話を信じられるんだ?」
常識的に考えて、不老不死なんて聞かされて信じる奴なんているわけがない。その現場――傷を治癒しているところを見られたとしても完璧には信じてもらえない。これだけはどこの世界でも共通したことだった。
だというのに、この二人は俺の話を鵜呑みにしやがった。しかも現場を見ずに、言葉だけで。そんなの、こっちが信じられない。
「何でって、キサラギがそう言うんならそうなんでしょ?」
「だな。別に疑う要素も無いし」
「――――」
完全に言葉を無くしてしまった。こいつら、正気なのか? どうしてだ、なぜ信じられる?
「しかし、輝夜たち以外にも蓬莱人がいるなんてね」
「あいつらに話したらどんな顔するだろうな」
霊夢は関心を持ったように、魔理沙は悪戯を思いついたような表情で会話している。と、ここで重要そうな単語が出てきたことに気付いた。
「蓬莱人?」
「そうよ、蓬莱人。知らないの?」
「蓬莱の薬っていう、飲んだら不老不死になれる薬を飲んだやつのことを蓬莱人っていうんだよ」
俺以外にも、不老不死のやつがいたってのか。なるほどな。道理で簡単に信じたわけだ。でも――。
「俺はそんな薬飲んだことないぞ」
「は?」
「え?」
今度は二人が言葉を失ったみたいだ。目を丸くさせて二人はこっちを見ている。
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