果てのない旅の寄り道

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雲一つなく晴れ渡った空の下、そんな絶好の旅日和の中で俺は旅の末にたどり着いた草原に寝転がっていた。 「あーあ……」 もうこの世界も旅し尽くしちゃったなぁ。色々と面白い世界だったけど、もうお終いか。 いつもそうだ。旅をしている間は楽しいのに、踏破してしまったら一気に面白みがなくなってしまう。だからこそ旅は楽しいのだが。 「次はどの世界に行こうかなぁ……」 世界なんて星の数ほどあるからなぁ。とりあえず二・三回程移動してその中から面白そう且つスリルある世界に行くか。 「あら、興味深い人間がいるわね」 俺以外誰もいないはずなのに、突然その声は聞こえてきた。 「? 誰だ?」 上半身だけ起き上がり、声の主を探す。 「後ろよ後ろ」 再び女性の声が聞こえる。体ごと振り返るのも面倒なので背を反らし、顔を後ろに向けた。
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