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◆
「――い、起きろー」
「むにゃむにゃ……あと一時間……」
「もう一回喰らうか?」
「ごめんなさい今起きます」
夏の必殺技らしきものを受けた俺はどうやら気絶していたみたいだ。気が付けば夏がこちらを見下ろしていて、その後ろには真っ青な空が見える。
その場から跳ね起きて体を動かしてみる。うん、異常はない。回復してるな。
「なぁキサラギ、お前人間なのか?」
「あぁ、そうだけど?」
「……もしかして、不老不死だったりする?」
おおう、どストレートだな。
「即答できない所を見ると、図星か」
「何故分かったし」
「俺の知り合いにお前と同じ性質の人間がいてな、それでもしかしたらと思って」
「なるほどねぇ、同じ性質か……」
その人間って霊夢の言ってた蓬莱人のことかな。夏はこっちに来てから長いみたいだし……ってまだ夏が外来人かまだ聞いてないじゃなーい……まぁいいか。
「とりあえず時間停止を解除するか」
「あぁ、なかなかいい勝負だったな」
「もう少しで勝てたと思うんだけどなぁ」
「キサラギの力が強ければな。あの連打、全然痛くなかったぞ」
「マジで!?」
あぁ、と言いつつ頷く夏。なんてこったい……。
「でもいい経験になったよ、ありがとうキサラギ」
「こっちとしても勉強になったし、お相子だ。お互い目標目指して頑張ろうぜ」
俺と夏は握手を交わす。とりあえず、筋力トレーニングからかなぁ。頑張って、せめて小傘相手に完封できるくらいにはならないと。……いやそれでいいのか俺の目標?
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