-プロローグ-

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「………」 鳴り響く目覚まし時計に俺は目を覚ました。 夢を見ていた。 でも、覚えてない。 どんな夢を見ていたのかを考えながら、制服に着替えた。 「…ん。撥ねてやがる」 鏡を見ると、黒髪頭のてっぺんがあほ毛のように撥ねていた。 -くそっ。ついてねぇ。つーか、直んねぇし。 「…もう知らん」 早々に諦め、軽い朝食を済ませた。 コンコン、と控えめなノックが響く。 「美郷くん、居ますか?」 特徴的なソプラノの声に返事もせず扉を開けてやった。 途端、何かにぶつかったようなガッと言う音が聞こえた。 「…何やってんだ?」 女座りした女顔の白髪は俺を睨んでいた。 -う~ん…全く怖くない。むしろ何故女に生まれてこなかったか不思議だ。女ならその可愛い顔で 「美郷くん、酷いです」 「…知らん。行くぞ」 「あ、待ってくださいよっ!」
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