さだおの中のさだお

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妄想の話と現実に区別がつかなくなった母は 「金!金!金くれ!」 と、おれの背中にしがみついてきた。 フワッ と母の香りが広がった。 懐かしいな… やわらかい洗剤の香り、 少し塗りたてのマニキュアの香り、 熟女特有の、ちょっと粉っぽい香り、 首からはちょっと腐った卵の香り、 さっき母が食べていたサバの味噌煮の口臭… うん、つまり それらがブレンドされていて物凄くクサイ。 おれの背中にしがみつき続ける母。 おれは思いっきりジャンプした。 60センチはジャンプしただろう。 そのまま体勢を、空中であお向けのようにした。 後は体を丸め、母の腕を掴み地面に落下するのを待つ… ズガン!!! 母「ぉうぁっぷ!!」 床とおれに挟まれた母はまるでハンバーガー。 母は一生マクドナルドを恨み続ける事だろう
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