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最後にぎゅっと抱き着いて桂吾から離れる
『太一君の事頼む。約束通りならもう外を歩いても大丈夫だから他に困った事が有ったら助けてやって?』
「‥‥‥面倒いがしゃあないな」
『有り難う』
「おお、クロに頼まれたんなら無下にはでけへんからな。と、これ持って行き。必要なもんや」
ぼすっと渡されたのは、黒いケース
強化プラスチックの様な其は、見た目とは裏腹にズシリと重い
「銃と手榴弾が入ってるから扱いには気いつけるんやで、因みに手榴弾は殺傷力は押さえ目に弄ってあるが物を壊すには十分な威力があるからな」
い、いらねぇ‥‥
『桂吾‥』
「絶対必要になる。特に手榴弾は」
いや、あの場所で手榴弾は駄目なのでは?
穴があいたらアウトみたいな‥‥‥
重みの増した荷物(銃とか手榴弾とか)をどのタイミングで返そうかどうか悩んでいると
桂吾の真剣な瞳とぶつかり、冗談で渡した物ではないと自覚して返せなくなる
『使わずに済むことを祈る』
「俺なら使わへんが、クロなら使う事を選択する筈や」
あはは‥‥(汗)
意味深な期待を受けながら腕時計を確認する
『桂吾そろそろ、時間だから行くよ』
「おう、待ってるからな」
ぐしゃぐしゃと今度はじゃれるみたいに撫でられてポンポンと頭を叩かれ送り出された
今生の別れでもないのにちょぴり寂しい
行くと決めたのは俺だからここで弱音は吐かないけど、気を引き締めていないと泣いてしまいそうな気持ちを押し込めてビルを後にした
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