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街のネオンで星なんて見えない真っ黒な夜空を眺めていたらゆっくりと目蓋が閉じてゆく
今って冬かな?
結構寒いしこのまま寝たら凍死するかも‥‥
――――――――‥
“‥‥ろ‥‥”
姉ちゃんの夢を見た
顔も分からない首から下の夢で、嬉しそうに幼い俺を呼んで頭を撫でる
“‥くろ‥”
姉ちゃんが俺を呼ぶ
“‥‥くろ‥くろ‥!”
姉ちゃん‥‥‥‥
それ家で飼ってた猫の名前だから‥!
――‥‥
チュンチュン
『‥‥‥』
ポン
ポン、コロン
『‥止めてもらえますか』
ポン
『だから!やめぇぇ〰〰〰〰〰い!!!!』
バサバサバサ
「あ~大きゅう声出すもんやから雀が逃げてもうたやないか、せっかく朝飯一緒してたのにぃ」
『だからって人の頭にパンくずを落とすなよ!』
「俺のせいちゃう、そない所に寝てるジブンが悪い」
囲まれた雑居ビル三階、唯一の窓から緩いウェーブのかかった髪をピンで止めたオシャレ眼鏡の男が持っているパンを千切っては俺に投げる
おかげで俺は雀の止まり木状態で朝を迎えた
今は追い払ったが雀の置き土産か小さな羽まみれに‥‥
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