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瞬間、教室内に篭っていた強烈な異臭が嗅覚を刺激した。
新垣は慌てて口元を手で押さえ、城崎も不愉快そうに顔をしかめた。しかし秋穂だけは、平然とした様子でトーストをかじっている。
「…お前。よくこんな状況でパンなんか食えるな」
「お腹空いてるんで」
「そういう問題か」
「朝ごはんは大事ですよ」
言いながら、秋穂は教卓へと歩みを進めた。そして、その上にある黒い物体にたどり着く。
「…異臭の原因はこれか」
トーストを飲み込んで、秋穂が呟いた。
無惨に首を切られたのカラスの死骸が、教卓の上に乗っかっていた。
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