1.首なしカラスの死骸

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 瞬間、教室内に篭っていた強烈な異臭が嗅覚を刺激した。  新垣は慌てて口元を手で押さえ、城崎も不愉快そうに顔をしかめた。しかし秋穂だけは、平然とした様子でトーストをかじっている。 「…お前。よくこんな状況でパンなんか食えるな」 「お腹空いてるんで」 「そういう問題か」 「朝ごはんは大事ですよ」  言いながら、秋穂は教卓へと歩みを進めた。そして、その上にある黒い物体にたどり着く。 「…異臭の原因はこれか」  トーストを飲み込んで、秋穂が呟いた。  無惨に首を切られたのカラスの死骸が、教卓の上に乗っかっていた。
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