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新垣はそれを見て吐きそうになった。込み上げてくるものを何とか抑えようと、今度は両手で口元を塞ぐ。
「ガッキー。職員室から新聞紙とゴミ袋持って来て。あと洗浄液と消臭剤もよろしく」
そんな新垣の様子を見て、秋穂がそう指示した。ちなみに「ガッキー」とは、秋穂が勝手に付けた新垣のあだ名である。
新垣は頷くと、駆け足で教室を出て行った。
「しかしまあ、惨(むご)いことするねえ。動物愛護団体に訴えられるぞ」
「これをやった奴に心当たりはないのか?」
「心当たりのある奴が多過ぎてわかりません」
秋穂の答えに、換気のために窓を開けていた城崎の手が止まる。
「…何だと?」
「ま、犯人捜しはこっちで適当にやっときますんでご心配なく」
秋穂は城崎に不敵な笑みを向けると、カラスの死骸をつん、と指で突いた。
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