1.首なしカラスの死骸

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「ありがとう。もういいよ」  黙々とスコップを動かし続ける新垣の肩に、秋穂はぽんと手をおいた。何でもないような軽いボディタッチだった。  しかし、新垣は動揺してスコップを落としてしまった。 「…何。疲れた?」 「い、いえ。ちょっと手が滑って…」 「そう。気をつけて」  秋穂の手が肩から離れ、新垣は気づかれないように息を吐く。こんなのでいちいち動揺するなんて、俺は中学生か。と自らの情けなさに呆れた。 「ガッキー」 「ぅえ?…あ、はい」  それなのに、秋穂に名前を呼ばれただけでまた動揺してしまう。素っ頓狂な声を出した自分が、新垣はただただ恥ずかしかった。
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