2.それはまるで

4/9
前へ
/137ページ
次へ
   「マジョ」――秋穂はそう呼ばれていた。  魔女のような格好、魔女のような性格、そして苗字が「真島」で「マジョ」っぽいというくだらない理由からだった。  上級生はちょっとした愛称としてそう呼んでいたが、新入生は違った。彼らのそれは、ただ悪口を言うのと同じようなニュアンスだった。  異質な存在である秋穂を、受け入れることなど出来るはずがなかった。秋穂が担任を務めることになった1年B組の生徒も、もちろん例外ではなかった。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

332人が本棚に入れています
本棚に追加