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俺が初めて彼女を見たのは、入学式の時だった。
衆目の的となる壇上に立ち、凛とした声音で祝辞を述べる少女。
その少女の体の上で、はっきりと存在を主張する二つのそれ。
俺の目はそれに釘付けとなってしまった。
灰色のブレザーの下に着込まれた、白いカッターシャツの胸元を押し上げる山脈。
彼女がわずかに身じろぐ度に、豊かに波打つマウントレーニャ。
書面をめくる為に少女が右手を持ち上げると、それに引っ張られるようにして盛り上がる絶峰。
奇跡だ。
目の前に、神の創造物が存在している。
俺は一目で少女に恋をした。
――いや。
正確には、この少女。
佐山 秋穂≪さやま あきほ≫のチチに心を奪われてしまったのだった。
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