663人が本棚に入れています
本棚に追加
後は佐山――いや。正確にはあのチチの所有権を手に入れれば、もう思い残す事は何もない。
そう思い立った俺は、今日の昼休みにとうとう彼女を学校の裏庭に呼び出した。
彼女は恐らく、呼び出されるまで俺の存在など知らなかったのだろう。
当惑に瞳を揺らしながら、ついでにチチも揺らしながら目の前に現れた。
ごくり。
緊張に、口の中が一瞬にして干上がる。
前方から、徐々に近付いて来る神の創造物。
ブレザーとカッターシャツに押し込められながらも、確かな存在を主張する連峰。
俺はこれに、サヤマー山脈と密かに命名した。
最初のコメントを投稿しよう!