プロローグって何だろう?

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 ガラリと、古びた木製の扉が軋んだ音をたてる。  途端に、それまでざわめきに包まれていた教室内が水を打ったように静まり返った。 「…………」  視界一面に広がる、肌色。  着替え途中であったらしい女子達が、息を飲む気配が伝わって来る。  突き刺さる無数の視線。 「きゃぁああ~っ!」  一拍後。  絹を裂くような甲高い悲鳴が、校舎中に響き渡った。 「出てって、変態っ!」  女子の一人が、体操服で胸元を隠しながら喚き立てる。  そして俺の顔目がけて、鞄を投げ付けて来た。
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