10人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく何が何だかわからなかった。
おじちゃんは唇をかぶせ,中に舌で飴玉を押し込みそのまま数秒モコモコと口の中を舌で転がした。
《気持ち悪い‥!》
何度も何度も唇をぬぐい,なきべそをかきながら家の前にたった。
しかし、そこに一瞬にして凍りつくような感情が頭を駆け巡る。
このまま家に帰り、状況を説明したところで「汚い娘」とお父さん,お母さんに思われてしまうんじゃないのか!?
ゾーと背筋が凍り,涙もひいていた。
《絶対バレないようにしなきゃ。》
もう、それだけが頭にいっぱいだった。
幼い頭にも、防衛本能というのか、心が崩壊しないように、」物事をうまく切り替えるスイッチでもあるんだろう。
「あれはおじちゃんなりのスキンシップだったに違いない」
と思うようになっていた。
‥それならおじちゃんに悪いことをしたかな‥
なんと純粋というか、たぶん現実逃避が大きかったが、そう思わないと「汚い娘」という自分の中の劣等感がおさまらなかったのだ。
なによりも、自分の両親に軽蔑されることは、幼い少女にとっては、この世の終わりと等しいんだ。
最初のコメントを投稿しよう!