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そして2年はあっという間に経ち、俺の身長はグングン182cmまで伸び、朱利が中学を卒業する日になった。
卒業式が滞りなく終わり、生徒玄関は写真を撮ったり、第二ボタンをもらったり、スカーフをもらったり、ネームプレートをもらったり、毎年恒例の賑やかで少し切ない時間を迎えていた。
俺はというと
「あか、あか、朱利ちゃんが、そ、卒業、なんて、やだ~!!」
号泣していた。
一応俺はバスケ部に入っていて、よくしてくれた先輩達の卒業式でももちろんあったが、その日の涙は全部朱利のためにあった。
泣きながらも、朱利に近づきたそうな顔をしてきた男はすかさず睨んで牽制した。
もちろん、ほとんど本能で。
「ケンちゃん泣かないの~男の子でしょ~?」
朱利が背伸びしながら、頭を撫でてくれた。
朱利の目はほんのり赤かったけど、涙はなかった。
我慢してるんだってすぐにわかったし、俺も我慢しなきゃと思ったし、なにより朱利が頭を撫でてくれたから、どうにか涙をとめた。
「俺、朱利ちゃんと同じ高校行くから待ってて!!」
「わたし行くの女子高だよ?」
嬉しそうに大爆笑する朱利。
俺はデカすぎるショックに再び意気消沈。
「ごめんごめん、言ってなかったっけ?でもお家は隣のままなんだしさ」
「あ。そっか。」
頭を撫でられながら、すっかり機嫌をなおしながら、俺と朱利の中学生時代は幕を閉じる。
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