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ゴシゴシと頬をこする朱利。
「朱利ちゃん、お化粧するんだ?」
歩きながら聞く。
「とと、友達に『してみたら?』って言われて。あ!でもすごーく薄くだから全然わからないでしょ!!」
ニコニコしながらも、いつもより少しだけ早口みたいな朱利。
「そうだね~…あんまりいつもと変わらない気がするけど…朱利ちゃんはそのままで十分可愛いから、お化粧なんかしなくて全然いいよ。」
朱利の頬が、それまでほんのり赤かったのに、突然真っ赤になった。
「朱利ちゃん、だいじょ……」
「あ!!忘れ物した!!ケンちゃん、先行ってて!!!!」
そう言って朱利は元来た道を引き返す。
「高校初日だもん!朱利ちゃんと一緒に行くよ!!」
ついて行こうとしたら、無理やり回れ右させられて
「初日なんだからケンちゃんは遅刻しちゃだめ!」
と背中を押された。
ちなみに少しねばったが「良い子だから先行ってて~!」と頭を撫でられて、結局、俺が押し負けた。
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