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 光る画面を睨みつけてひとり大きな欠伸をした。目を擦りながらぼやけた視界で時刻を確認する。 「4時か……」 もぞもぞとすぐ傍にある布団に潜り込む。そこでまたひとつ、欠伸をしてから目を閉じた。 今から寝たところでたいした意味はないのだけれど、今日で徹夜三日目なのだ。このまま死ねたら楽なんだろうな……と馬鹿馬鹿しいことを考えながらゆっくりと意識を手放した。 静かな寝息をたてている間にも、僕の相棒はずっと起きたままだ。光る画面が部屋を鈍く照らし出している。 節電という文化は僕に存在しない。地球のために、地球のためにと何かをしたところで結局は人ごとだからだ。  僕が生きている間に何かをが起きることはまずないし、仮に起こったとしても僕ひとりの責任にはならない。  卑怯なやつだ。  僕はよくそう呼ばれている。でも僕はそう思わないし、賢く生きて何が悪いんだ?という話だ。  世の中正義が全てじゃない。嘘つきばかりが集まって、騙し合いをしているだけだ。 例を挙げるなら1番のものがある。僕はそれを嘘つきの代名詞であるとも考えている。 小説家。  きっと僕は嘘つきだ。
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