彼女、泣く。

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宛もなくブラブラと歩いていくとユミはショーウインドウに飾られてるピアスに目を止めた。 「かわいー。見て、ピンク色の。」 「ユミに会いそうなピアスだな。」 「けど、高い‥。アタシのお金じゃ到底足りないよ……。」 シュンと縮こまる彼女の目線の先には値札があって、2万5千円と書かれている。確かに彼女にとっては高い。 「入るぞ。」 「え‥?ちょっと…!?」 ユミの手を引き店のドアを押すと鈴の音が響き渡る。 「いらっしゃいませ~。」 「すいません。あのショーウインドウにあるピアス下さい。」 「ルイ!ダメだよ!」 「何が。」 「何がって‥こんな高級なの悪いよ…。」 「欲しいんだろ?」 「‥うん。」 「じゃ、決まり。」 店員に包装を頼みながら払う。 「ほら。」 「ありがとう…。何か、ゴメンね?」 「何で謝る。」 「だって、アタシのワガママでムダな出費をさせちゃったから…。」 「ムダじゃない。」 ユミの手を握り締めてから次の言葉を言うため口を開いた。
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