1人が本棚に入れています
本棚に追加
結局、母は4時になっても帰って来なかった。さすがに眠くなってきた俺は持ってきていたブランケットをたたみ寝室へと向かう。寝る前に何か来てないかとケータイを弄ってると受信ボックスにおよそ3時間前に来ていたメールが未読で入っていた。
「ユミからか。」
今日、デートしないかと言う誘いに俺はO.Kのメールを送る。
「朝、何着るかな。」
久々の彼女とのデートに様々な服のコーディネートを浮かべながら夢の世界へと飛び立った。
何となく目を覚ます。時計を見ると6:18でまだ薄暗い。兄は隣で静かに寝ていた。
「起きるか。」
上体を起こし顔を洗いに洗面所に向かう。廊下を出れば冷えきっていてヒンヤリとした感触が頭を覚醒させる。カアカアと鳴くカラスの声にじっくりと耳を澄ませばガチャリと玄関のカギが音をたてて開いた。
今日は朝帰りか。
沈黙のまま母は階段を上がり、やがて部屋のドアが閉まる音がした。
最初のコメントを投稿しよう!