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安里たちが勤めているのは『株式会社スターモッズ』。星マークの中に英語で社名が書いてあるのがロゴ。８階建てビルの４～６階を占めている。中小企業で、社員数は３３人と小規模だが取引先は多い。つまりは発展途上。
安里たちがいる５階は管理部。この会社の要、データ入力が主な仕事だ。この階には会議室もある。ちなみに４階は営業部、文字通り取引先などに向かう。食堂はあるが各自弁当を持参する。６階は総合経理部、財務がメイン。社長室や応接室もここにある。
小一時間して、安里は書類の内容を全て入力し終えた。さほど難しくなかったので気楽にできた。
入力したデータは保存し、書類として印刷し提出する。
「……うむ。よくできたな」
「恐れ入ります」
目の前の部長、高橋 啓三は出来を称えた。そして、これを営業部の部長に届けるよう命じた。安里は二つ返事で了承した。
廊下に出ると、ひんやりしていた。予想以上の外気の冷たさにくしゃみをした。ポケットティッシュを出して鼻をかむと、階段に向かって歩く。
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