動き出す歯車

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高2になった時、歳上だった彼女は卒業して大学に行った。 …筈、なのだが。 「ここ一月何の連絡も無いんだよな。」 今は5月なのだが、此方からケータイに連絡をしても、反応無し。 所詮付き合っているフリだったのだし、お互いに興味があった訳でも無いが、少し気になって一人暮らしの彼女のマンションまで行ってみた。 すると、どうだろうか。 彼女の存在がまるで初めから無かったかのように、部屋は綺麗に何も無かった。 何、俺フラれた? しかも結構酷いフラれ方じゃね? とか思ったりしたが、やっぱりあまり興味が無かったので傷心になる訳もなく。 死んでなきゃいいな、と思うくらいだ。 「ま、次があるって! つうか、お前は直ぐに女が寄って来るからこんな励まし必要無ぇげどな。 一人くらいよこせ!」 …なんて武人は言っていたが、俺としては一人と言わず全員持っていってほしい所だ。 彼女が卒業してから再び俺の周りには女子が群がってきていて、面倒この上ない。 そこのところを考えるならば、彼女には1つや2つ恨み言を言っても問題は無いだろう。 「…っつうか、寝みぃ」 ゲームのやり過ぎで目が疲れた。 柄にもなく恋愛ゲームなんかやったからか。 所詮ノベルタイプだし、選択肢を選ぶだけで後は読むだけなのだと思っていたが、その選択肢が意外と難しくて頭を使った。 うつらうつらしてきて、俺は眠りへと引きずり込まれる。 最悪だ、課題まだ終わってねぇや。 朝やれば何とかなるかな。 そこで俺の意識は途絶えた。  
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