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あっという間に時は過ぎ
放課後となった。
クラスにいる生徒の大半はすぐに教室を出ていく。
だが
俺は早く帰った所で帰りを待ってくれる家族もいなければ
これといって夢中になってやることもない
だから今は教室で一人残り
ベランダから雲一つない青空を眺めている
昔から妙にそういった景色が好きで見ていると心が落ち着く
特に今日はクラスに転校生が来たりと色々大変だったため
やはりこの時間は大切だ
この落ち着いた時間を
毎回のように乱すやつがそろそろ現れる………
米谷「イッチ~!!!」
………………やっぱり来た
米谷「一緒に…」
片桐「やだ」
俺は空気を乱すやつ(米谷)が言い終わる前に返事を返す。
米谷「えっ!?まだ俺何も言ってないよ!」
米谷が慌てながら言う。
片桐「どうせ一緒に帰ろ……だろ?」
面倒そうに俺は言った。
米谷「せ~かい!!ってことで早く帰ろう!」
そう言って俺の手首を引っ張る米谷。
片桐「つーか他のやつらは?青山とかと帰りゃいいだろ?」
米谷の手を振り払い、俺は言う。
米谷「みんな先に帰っちゃたも~ん」
悲しそうに米谷は目を潤ませる。
米谷「だからお願いだよぉ!!もうイッチーしかいないんだぁ!!」
抱き着き大声で叫びながら頼む米谷。
片桐「分かった!!!分かったから離れろ!!!」
頭を叩きとりあえず米谷を体から離す。
片桐「もうちょいで行くから校門で待ってろ」
あきれながら俺は言った。
米谷「ほいほ~い」
すると米谷はスキップで教室を出ていく。
本当、調子のいいやつ………
米谷を待たせるとまたうるさいので俺も帰りの支度をすることにした。
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