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片桐「それより米谷達は?まだ来てねぇの?」
俺は空気を少しでも紛らすために話を反らした。
田澤「え?あぁ…あいつら?買い出し行くって言って駅に入ってったけどそろそろ来るんじゃねーか」
田澤がそう言った通りしばらく待っていると駅から米谷達が両手に今にもはち切れそうな袋を持って現れた。
米谷「おっ!!イッチーやっと来たねぇ~」
米谷は俺を見つけると上機嫌で手を振って近付いてくる。
青山「……………」
星川「……………」
そんなハイテンションな米谷の横で明らかに表情が曇っている青山と星川。
星川に至っては上下スウェットで出かけるに相応しくない格好だ。
片桐「星川?どうした?……その格好……」
あまりに不自然だったため俺は星川に聞いてみた。
星川「…………………変か?」
星川はその高い身長から俺のことを見下すように言ってきた。
普段あまり表情を顔に出さない星川ですら今日は機嫌が悪かった。
片桐「変じゃねーけど…………」
俺は星川の反応に困りながら答えた。
米谷「よし!!みんな揃ったことだしさっさと行こっ!!」
俺と星川の間に割り込む形で入ってきた米谷がそう言う。
青山「どこに行くの?まだ僕達聞いてないけど……」
今まで沈んでいて話さなかった青山がやっと口を開いた。
米谷「カラオケ~!!」
米谷は手でマイクを持つようにしながら答えた。
いわゆるあれだろ?
狭い部屋で女子と男子が敷き詰められる空間ってことか?
冗談じゃねぇ
米谷にとっては好都合かもしれねぇけど俺達にとっては……地獄だ
米谷は何が楽しいかわからないがスキップしながらカラオケ店に向かう。
こいつ……女嫌いじゃねーな
密かにそう疑いながら俺達もカラオケ店に向かったのだった。
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