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ガチャ
俺は購買でパンを買い一人で屋上に来ていた。
屋上には基本的には誰もいないため暇があればいつもここに来る。
だが今日は珍しくベンチに男子生徒が横たわっている。
片桐「誰?」
おそらくこの時間帯にここに来るような人にろくなやつはいないだろう。
大体予想はつくが…………
俺が訪ねるとベンチで寝ていた人は起き上がる。
片桐「予想的中」
顔を確認すると俺はそいつのいるベンチに歩いていった。
??「………幸一?……」
その男は寝起きだからか小さい声で名前を呟やく。
片桐「お前いつ学校来たんだ?」
フェンスに寄りかかりながら問い掛けた。
??「………さっき……」
頭をかき、置いてあった眼鏡に手を伸ばす男。
片桐「相変わらずクール気取ってんな」
少し冷やかす感じで俺は言う。
??「………そんなんじゃねーよ…」
男は空を見上げながら答える。
片桐「そういうところがクールって言ってんだよ、星川」
そうこのクールで眼鏡を掛けている人の名は
星川壮也(ホシカワソウヤ)
流れ的に分かるだろうがこいつも重度の女嫌い
いや
こいつの場合は俺達以外の男にすら心を開かないだろう
ガチャ
そこにちょっと遅れて青山と米谷が入ってきた。
米谷「ありゃ?もしかしてソウちゃんもいる?」
青山「本当だ!おはよ~ソウちゃん」
青山達は星川にすぐ気付いた。
片桐「やっと来たか?遅ぇんだよ」
少しキレ気味に俺は言う。
青山「だってカイ君、転校生とイチャイチャしてるんだもん!!」
米谷を指差しながら青山は言った。
片桐「は?お前なぁ……」
米谷「いやいや名前とアドレス聞いてただけだから」
米谷は手を大きく横に振って否定する。
片桐「名前とアドレス?俺なんて転校生どころか前からいた女子の名前すら覚えてねーよ」
星川「…フッ……俺も」
鼻で笑いながら共感する星川。
米谷「え!?そうなの?じゃあせめて転校生の名前くらいは教えてあげるよ!!えっとねぇ……確か渡辺美優紀ちゃんと山本彩ちゃんと山田菜々ちゃんと小笠原茉由ちゃ……」
青山「あっ!!」
米谷が話している途中に突然声を出す青山。
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