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「俺でも多分無理だよ」 『だけど、俺はあいつの 親友だから。ちゃんと最 期まで見届けなきゃいけ なかったんだ』 彼の頬に二筋目の滴が零 れた。 『あいつは気付いてたん だな。自分があとどれく らい持つかってこと。さ っきの聞いてただろ?』 「うん」 『こんな日にあのメッセ ージ聞くなんて思わなか った』 そう言うと、彼はもう本 格的に泣き出していた。 何度もしゃくりあげなが ら、子供みたいに泣いた 。 こうなることが分かって た。 葬式ではきっと泣かない この人もあいつとよく来 たここではきっと泣くと 思った。 臨時休業にしたのも、こ の人にあいつと最後の別 れをさせたかったから。 あいつとの想い出が染み 付いたここにはきっとこ の人はもう来ない気がす る。 だから、今日が3人で過 ごす最後の日。 『結局約束、守れなかっ た。今日は一日笑顔でい ようって決めてたのに』
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