因縁

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「お……おう」 「何で動揺してるのよ」 「まさか由芽の口からそんな言葉が出るなんて」 「何か癪に触る言い方ね。 流石に自分の家族のことくらい分かるわよ」 「えっ、俺の話?」 「ヨウさんのことを本当に頼りにしてるし、信じてるって感じがね、お兄ちゃんから伝わってくるんだ。 分かりやすいくらいに」 「ほあぁ……」 「何それ、馬鹿にしてる?」 「いやいや、してないよ。 よく見てるなって、感心してるんだ」 「ありがと」 「流石俺の可愛い妹だな!!」 「ちょ、頭撫でないでよ!!」 由芽は赤くなりながらも抵抗する。 やっぱり家族は大切だって改めて実感した。 対してヨウは、母親は病床の身で、父親は倒さなければならない相手。 身近に家族を感じられない。 それでもあんなに強い意志を持ってるんだ。 信頼ってより、引き付けられる魅力があんだよな……ヨウには。 「何由芽ちゃんいじめてんだ」 「きゃー、葉さん助けて!!」 「ちょ、お前ら……!!」 由芽はパタパタとヨウの近くへ駆け寄っていく。 ……前言撤回、は、しない。 でも家族や仲間に対する態度は、もっと優しくていいはずだと思うんだ。 ましてや俺は兄で、リーダーなんだけどなぁ……。
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