けじめ

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「監督、一体何を……!!」 「俺はお前を守れなかった。 樹との約束を守れなかったんだ……!!」 監督は頭を下げ続ける。 「監督!!」 俺は立ち上がり、すぐに監督の元に近付く。 「……確かに俺は秀玲というチームが嫌いでした。 でも……味方がいてくれたことは、俺にとって大きなプラスでした」 「桜庭……」 「それに俺には今、大切な仲間がいます。 それは秀玲を離れてから得たものです」 「……桜庭」 「はい」 「……ありがとう」 次に監督の口から出たのは感謝の言葉。 俺は何も言わず礼をした。 「桜庭」 「はい」 「……Red eye、非常にいいチームだった」 「はい」 「……3対3の試合で戦うチームとは思えない強さだった」 「えっ……!?」 「UNDERDOG、それも樹から聞いているよ」 「…………」 「なぁ、桜庭。 一つ……俺の頼みを聞いてくれないか?」 「頼みですか?」 監督は真剣な目付きで俺を見てくる。 俺も監督を見る。 そして……。 「また秀玲に戻ってくる気はないか……桜庭」
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